窃盗や傷害で9回の服役
ここで、去年11月ごろから生活を始めた強(つよし)さん(59歳)。
20年ほど前まで暴力団の組員だった強さんは、窃盗や傷害などの罪でこれまでに9回服役している。

(強さん)
「自分に対して甘えてたというので、けんかをしたり、自分の好き放題やっていたというか、そういう感じ」
原因のひとつが「仕事」
なぜ、犯罪を繰り返すのか。原因のひとつが「仕事」だ。
法務省によると、おととし、全国で刑務所に再入所した人のうち、およそ7割が無職だった。

強さんも暴力団を辞めたあと職が見つからず、万引きなどの犯罪を繰り返したという。
(強さん)
「金がなくなって、自分はアルコールが好きなもんで、それで、飯が食いたくなって、弁当をかっぱらった」
社会からの孤立
そして、再犯のもうひとつの要因が「社会からの孤立」だ。
全国の再犯受刑者を主に収容している宮崎刑務所。
受刑者212人のうち36人が高齢者、12人が知的障害が疑われる人だ。

強さんが入所している施設によると、こうした高齢者や知的障害者など社会とのかかわりが持ちづらい人が再犯に走るケースが多いという。
(カーサ・グランデ 野本修二理事長<保護司>)
「(再犯者は)交われないという特性があったりするので、じゃあなんで交われないのかっていうのが、やっぱりその人その人のコミュニケーションの取り方を教えていかなきゃいけなくて、それを教えてあげるだけで、案外社会復帰していく」
強さんも知的障害があり、両親はすでに他界。
兄弟とも連絡が取れなくなっていて身よりがない状態だという。
(強さん)
「さみしがり屋、それで、仲間が似たような人間ばかりで、そこからそういう(犯罪を繰り返す)形になった」