牛に良し 人に良し 環境に良し
(岩田篤徳さん)「放牧の良さは言ってみれば低コストエサはいらない夏の間はですね糞尿処理もほとんど不要で夜うちは帰ってきますから夜の分だけは糞尿処理の必要がありますけど昼の分はぜんぜん放牧場にフンをして栄養にしてリサイクルしてくれるからですね、そういうのがメリットですね」

コスト削減や省力化のほかにも山林や耕作放棄地などの有効活用や、繁殖成績の改善などにもつながると岩田さんは話します。

(岩田篤徳さん)「私よく言うんですけど牛に良し人に良し環境に良し」
また、岩田さんは、2007年に西臼杵地区の生産者と「西臼杵型放牧ネットワーク会」を設立し会長を務めていて、SNSで放牧の様子を紹介するなどして普及にも努めています。

こうした中、物価高騰により飼料の価格はおよそ1.5倍に上昇し、子牛の平均価格は去年、70万円台から一時50万円台まで下落。
コスト削減などが見込める放牧が注目され、去年、岩田さんのもとには、県内外から20組以上の視察が訪れたということです。
放牧を始めるためには牧草地の整備に時間がかかるという課題もありますが、岩田さんは前向きです。
(岩田篤徳さん)「今だったら5年くらいあれば山林を放牧化する、また耕作放棄地の方を放牧化なんていうのは2年くらいでできますから、いろんなところから指導にきてほしいという連絡があってますから指導にいくつもりです」

持続可能な畜産として関心が高まっている放牧。岩田さんは、中山間地が抱える過疎や耕作放棄地といった課題が放牧をする上では利点になるとして、さらなる普及を意気込んでいます。
(岩田篤徳さん)「良さをみんなに知らしめるのが私のこれからの夢ですね。いいですよ。放牧は」

県によりますと、県内にはおよそ5700戸の肉用牛農家がいますが、このうち、放牧に取り組んでいるのはわずか99戸だということです。