超大型建機の先に見えるのは…小松駅の内部に潜入

工事が進む小松駅

加賀温泉駅と対照的に近未来的なデザインの小松駅。それでも、内装は地元色にあふれています。

鉄道・運輸機構小松鉄道建築建設所 麻生 望所長
「柱には滝ヶ原石という石を使っている。1枚を薄くスライスしてスリットを入れて化粧材をとして柱の仕上げ材として使っている」

小松駅のコンコースを彩るのは日本遺産に選ばれた小松市の「石の文化」です。

北陸放送 大薮美和記者
「コンコースのガラス面には小松で採れた日華石が市松模様にデザインされ歌舞伎の町小松をPRしている」

工事が進む小松駅

そして、長い階段を上った先には…

鉄道・運輸機構小松鉄道建築建設所 麻生 望所長
「山形に配置されたガラス越しに見える霊峰白山がこちらから一望できる。こまつの杜に展示されている超大型建機越しの霊峰白山をダイナミックにご覧いただける環境」

高さ6メートルの大型の窓を採用し反対側のホームからも白山を望むことができます。

小松駅から望む白山


完成までおよそ1年。作業も急ピッチで進められています。鉄道・運輸機構 一色舞子さんは「開業まであと1年工事もまだ残っているので引き続き安全第一で進めていきたい」と開業に向けた意気込みを述べました。

開業に向けたおもてなしの準備はそれぞれの市で進められています。加賀温泉駅では、世界的な資材の高騰や技術者の不足で高架下の施設の工事開始が遅れていましたが、建設業者が3月6日に決定しました。完成は開業の半年後ですが、無事に工事がスタートし担当者は胸をなでおろします。

加賀市新幹線対策室 屋後孝紀室長
「1日も早く完成させて県外などこれから来られるお客さんが施設を市民の人と一緒に使って交流できる施設になればよい」

北國とおり町にぎわい協議会のミーティング

北國とおり町にぎわい協議会 中出暁史会長
「ただの通過駅にならないようにこの街をいろんな人に知ってもらえるチャンスだと思う」

一方の小松駅。駅に近い商店街の若手店主でつくる北國とおり町にぎわい協議会が開業後の誘客にむけた種まきにいそしんでいます。

北國とおり町にぎわい協議会のメンバーは
「北陸新幹線開業に向けて今後、新幹線を降りた人たちが歩いて5分の所にどうやってきてもらえるかということでマップを作ろうと思っている」

北國とおり町にぎわい協議会と学生の視察

現在、公立小松大学の学生とともに進めているのが小松駅から商店街に観光客を呼び込むためのマップ作りです。協議会の中出会長は「長保屋茶舗の建物も100年近くたっている建物。理右衛門さんという名前をずっと継いできている」と学生に説明します。

駅周辺の商店街の店の一部はシャッターが閉まったままになるなど課題を抱える中、100年に1度と言われるこのチャンスに町をPRしない手はないと会議にも熱が入ります。

学生
「観光マップというよりは歓迎マップみたいな感じにしたい。人が宝だから宣伝するよりも人が見えるマップにしたい。」

北國とおり町にぎわい協議会中出暁史会長
「うちも商売しているので、街づくりのことばかりしていると怒られるけど、やっぱり足を止められない開業間近なので。本当にこんなチャンスは一生に一回なので何としても頑張ってやっていかないといけない」

北國とおり町にぎわい協議会のミーティング

開業まで残すところ1年。街が大きく変わるこのチャンスを生かすことができるのか。沿線の自治体では底力が試される1年になりそうです。