北陸新幹線の石川全県開業まであと1年。県内には新しく加賀温泉駅と小松駅が完成します。2つの駅にはどんな魅力が詰まっているのか、最新の様子を取材しました。
建築工事はすでに終わり、現在、設備工事が進められている2つの新駅。線路の工事や駅の建設に携わってきたのが鉄道・運輸機構ですが、麻生 望所長にまず加賀温泉駅を案内してもらいます。

鉄道・運輸機構小松鉄道建築建設所 麻生 望所長
「加賀温泉駅の特徴として柱の仕上げの四隅に石川県産材のヒバという材質の木材を使っている反対側は上部の下がり壁に山中漆器の挽きのイメージを採用した形で帯状に配置したデザインとなっている。」

コンコースに入ってまず目を引くのは木がふんだんに使われた内装です。外観だけでなく駅構内でも温泉郷の雰囲気を味わえます。また、加賀市の特徴が詰め込まれた場所がありました。
北陸放送 大薮美和 記者
「待合室の屋根には伝統の赤瓦が使われているほか、天井には県産木材が使われ温泉郷の温かみを感じられる空間となっています。」

待合室の入口を飾るタイルは伝統工芸の九谷焼で、地元の伝統の技を随所に取り入れます。麻生所長は「加賀温泉駅なので加賀地区で使われる材質は可能な限り取り入れたいという形で設計段階から工夫している」と説明します。さらにホーム階にもこだわりが…。
鉄道・運輸機構小松鉄道建築建設所 麻生 望所長
「外壁の格子に使っている紅殻格子の色合いを採用して、外観、1階コンコース、ホームまで連続性を持たせた色合いをしている。ホームに上がっても出発まで楽しんでもらえる空間」

また、県内3つの新幹線駅で一体感を出した演出がホームの可動柵です。金沢駅に取り入れられている加賀五彩の色彩を加賀温泉駅と小松駅でも採用しています。加賀温泉駅では黄土色と古代紫色が使われています。麻生所長は「小松駅の方で草色とえんじ色を採用させてもらっている。金沢から小松、加賀温泉駅を利用していただいて石川県が一つだというコンセプトを作っている」と話します。