
(溝渕雅幸 監督)
「僕の映画はこれまで4本劇場用の映画撮ってますけれども、すべてその映画の中で人が亡くなるんですよね。普通、人が亡くなるシーンとかって想像したら悲しいんじゃないかとかって思うじゃないですか。でも、もちろん涙も出るんですけれども、悲しいだけじゃないんですよね。なんか明るさがあったり、ちょっと安堵感があったり、やさしさがあったり。そこで働いている医療者であったりとか家族であったりとか、そこの所作ふるまいというか…やってることがとても美しい。その人のことってやっぱりずっと覚えてて、(その人から)命のバトンみたいなものをきっと受け取ってるんで、次にこの“バトン”を次の世代に僕が渡していくっていう、そういうことなんだろうなという気はしてますね」

(溝渕雅幸 監督)
「僕、映画の中で死を扱ってますけども、それをクライマックスにはしない。やっぱり(命は)ずっと繋がっていくものだというふうに僕は思ってて、例えば明日香の土地ってね、もう1500年以上前からあそこで稲作文化が根付いててあるところですよ。で、そこに上がる朝日であったりとか、そこに沈む夕日は1500年前と何も変わらない。だからその1500年の歴史の中に何世代にもわたって命がつながっていってる。だからやっぱりそういうことが重要なのかなと」
(藤﨑美希アナウンサー)
「今回の『明日香に生きる』が、来年ですかね、高知の方でも上映があるということなんですけれども、見ていただく皆さんにどんなことを感じてもらいたいですか」
(溝渕雅幸 監督)
「あえて言うんであれば、いろんな選択肢があるんですよ、っていうことだと思うんです。自身が家族が本当に“こうありたい”とか“こう生きたい”とか“こう死にたい”とかそういう願いがあるので、それは絶対に叶えることができるので、ただそれは願わないと望まないと無理ですから。だからこういう映画を見て願うこととか望むことっていうことを続けてもらえたら嬉しいかなとは思いますね」

新作の上映会は来年1月、高知県黒潮町で行われます。特集でした。