■高知で受け継がれてきた民間信仰「いざなぎ流」

(佐藤健寿さん)
「今回(6月から9月に高知市で行った展示会)、高知の撮りおろしで“いざなぎ流”の現役の太夫さんを撮影させていただいたんですけど、その方に大変ご協力いただきまして、いざなぎ流の祭祀で使う祭壇を実際に再現していただいて設置したもの」

(佐藤健寿さん)
「今だと、すごく簡略化したものを実際にやられているそうなんですけど、今回の展示に関してはものすごく時間をかけてやっていただいて、精霊というか神様が勢ぞろいしているような、もうこれ以上やりようがないってくらい豪華な祭壇を組んでいただいたので、なんかすごく展示自体に強力な結界が張られているという風におっしゃっていました」

(佐藤健寿さん)
「太夫さんを撮影させていただいて、限りなく本当の、実際にされている格好と同じで過剰な装飾もなくしていただいて、それで実際に舞っていただいてそれを撮影させていただいたので、神聖にみえる太夫さん自身も照れながらも喜んでいただいたのでよかったです」

(佐藤健寿さん)
「高知に限らないんですけど、どこの県の人も、その地域の人というのは意外とその地域のことに関して無頓着というのが往々にしてそうなので、高知の人が来ても高知にこんなものがあるんだっていうこともあるかもしれないですし、それも見ていただければと思います」

(佐藤健寿さん)
「同時に世界のほかの文化とかと並べて見たときにも、全く遜色なくいざなぎ流の太夫さんの姿とかも、いい意味で“特異”。そういうものが高知にあるというのが、世界の少数民族とかの同じようなポートレートの写真と並べて見たときに、何にも引けを取らない『強い文化がある』いうのが見ていただけたらわかるのかなと思います」

日本・そして各国の数々の「不思議」が切りとられた写真展。それぞれの背景に文化、そして歴史が隠れていると佐藤さんは話します。
(佐藤健寿さん)
「長い間、みんな旅とかもできなくて旅行も皆さんしてないと思いますし、ある意味ではこの数十年とかの中で、世界が遠くなったというような時代だと思うので、展示を見ていただいて『世界って面白いな』と思ってもらえてもいいと思いますし、奇妙さとは何か、とか、普通というのは何かというのを考えるきっかけになったらうれしいですし、そこはもう見る人それぞれの見方で見ていただければと思います」
