高知市の工業高校で、生徒たちが中心となった防災訓練が行われました。前夜に青森県で震度6強を観測する地震が発生したこともあり、生徒たちは一層、危機意識を高めた様子で、学んでいる技術で自分たちや住民の命を守りたいと訓練に臨みました。

高知市の高知工業高校では、年に3回、防災訓練を実施していますが、今回は初めて生徒自身が企画、運営する形で行いました。

中心になったのは、授業で災害対応についても学んでいる土木科の2、3年生。「震度6弱」の地震の発生を想定し、全校生徒と教職員およそ900人を体育館に誘導しました。

避難訓練の後は、それぞれの科ごとに地震への対応を学びます。

高知工業高校は、最大クラスの南海トラフ地震で3mの津波が想定されています。学校にはボートが備えられていて、電気科の生徒たちは実際にボートを組み立てて手順を確認しました。

また、機械科の生徒たちは、学校が所有する3台の「ガス式発電機」を起動させました。

8日夜遅くには、青森で震度6強を観測する地震が発生しました。一時、北海道と東北には津波警報も発表され、その報道を目にした生徒たちは災害時の避難所としての役割を強く意識したようでした。

▼参加した3年生
「昨夜はテレビつけたまま地震速報が流れてきたので『大丈夫なんかな…』って心配になりました。いつ地震が起こるかわからないので、『これが重要で、これが違う』っていうのはみんなで考えることができてよかったし、困ってる人がいたら教えてあげたいと思いました」

▼参加した3年生
「『近いうちに南海トラフ地震が来る』って言われているので、南海トラフがあったときに、自分たちや他の人の命を守れるように避難したいと思いました」

▼課題研究リーダー 土木科3年 山本稜平さん
「昨夜はニュースを見て地震のことを知ったんですが、道路の陥没があったり、ガラス割れたり、そういった被害もあったので、日ごろから避難経路の確認であったり、危険箇所をわかっておいたり…っていうのが大事なんじゃないかなと思いました」

▼課題研究リーダー 土木科3年 山本稜平さん
「災害時に地域の人出が足りていない時に、高校生が技術を持っていると活躍できますので、今回の知識技能を実際の避難所運営で生かしてもらえるよう、提案報告していくということをしていきたい」

生徒たちは、訓練で得た課題などをまとめ、2026年2月に発表することになっています。