地元で栽培されている薬用作物「ミシマサイコ」の、収穫と加工を体験する特別授業が行われ、参加した中学生が、自分たちの住む町で大勢の人のためになる植物が育てられていることに驚いていました。

高知県中部の山あいの町・越知町では、解熱作用などがあるとされているセリ科の薬用作物「ミシマサイコ」を栽培していて、これを使って漢方薬大手「ツムラ」が漢方薬を作っています。

このつながりもあって、毎年、越知中学校では収穫と加工体験の特別授業が開かれていて、9日には1年生およそ20人が参加しました。

生徒たちはこれまでに、越知町の寒暖差が大きい気候や、傾斜があり水はけのよい地形が、ミシマサイコの栽培に適していることなどを学んできました。

そして生徒たちは9日、収穫体験を行いました。ミシマサイコの効能があるとされるのは、長さ10cmほどの根の部分で、生徒たちは根に傷がつかないように丁寧に抜いていきました。

収穫したミシマサイコは、加工をスムーズにするため、根のあたりをぶつけて土を払います。

この次の加工では、漢方薬に使われる根の部分だけにするため、生徒たちは1本1本、手作業で茎と根の間を切っていきます。

ツムラによりますと、ツムラが作っている130種類ほどの医療用漢方製剤のうち、およそ20種類に、越知町のミシマサイコが使われているということです。

収穫・加工したミシマサイコは、乾燥させた後に茨城県に出荷され、早くて来年の秋ごろに漢方薬になるということです。