幼いころから「世界で活躍するピアニストになる」という夢を抱いてきた男性がいます。始まりの春。夢の実現に向けて、音楽大学への進学という新たな一歩を踏み出す、18歳の挑戦を追いました。

訪れた観客たちを魅了するのは、高知南高校を卒業したばかりの松村凜士郎(まつむら・りんしろう)さんです。この日は、松村さんの卒業を記念したコンサートが行われました。

松村凜士郎さん

ピアノを始めたのは2歳の時。小学1年生の時にはすでにライブハウスやイベントなどで演奏活動を行っていました。テレビ高知の番組でも演奏を披露してくれたことがあります。

テレビ高知の番組でも演奏を披露

この春から、神奈川県にある昭和音楽大学音楽学部に特待生として進学し、幼い頃からの夢である「世界で活躍するピアニスト」を目指して学ぶことになっています。

世界で活躍するピアニストを目指す

(観客)
「楽しくてウキウキした。凜士郎お兄ちゃんみたいにできるようになってみたいなと思った」

(ファンになって10年以上)
「凜くんのステージはいろんなところで見させてもらっています。一緒に音楽をしているような気分に全体でなれるので、それがいいなと思います」

(松村さんの同級生)「いつもどおりの完璧さですごく楽しませてもらいました。(Q.音大に特待生として入学することについて)すごいです。本当に。友達として誇らしいです」

これまで国内外のコンクールで数々の賞を受賞してきた松村さん。自宅での練習風景を見せてもらいました。

(リポート:松岡葵アナウンサー)
「私もピアノを習ったことがあるので、その経験を生かして、練習方法を調査したいと思います!力強い音楽が奏でられてますよ」

(松岡葵アナウンサー)

(松岡アナ)
「特別な練習方法があると聞いたんですが、今はどのような練習をしているんですか?」

(松村凜士郎さん)
「今、三脚とカメラを設置しているんですが、音の録音と、全身のビデオとして録画をしています」

(松岡アナ)
「ピアノって、音がメインなので録音だけすることはよくあるんですけど、なぜ動画で自分の姿を残しているんですか?」

(松村凜士郎さん)
「お客さんから見たときに自分はどういった姿勢で弾いているのか、実際弾いているとわからないことがとても多いので、動画を見て研究しながら練習しています」

観客からの見え方にまでこだわる徹底ぶり!松村さんが大事にしているのは、楽譜どおり「うまく弾く」ことだけではありません。

(松岡アナ)
「凜士郎くんはどんなことを考えながら練習しているんですか?」

(松村凜士郎さん)
「いくつかあって、もちろんミスしないように、リズムが崩れないようにする練習もありますが、弾く曲の作曲者と自分の物語をリンクさせて弾く練習をずっとしています」

(松岡アナ)
「自分の物語とはどのようなものなんですか?」

(松村凜士郎さん)
「昔話のような物語ですね、僕は。物語に必須なことがいくつかあって、誰目線なのか、自分目線なのかそれとも違う目線なのか、主人公が誰なのか、どういった年齢でどういった性格なのか。ここは僕の外せない条件ですね」

(松村凜士郎さん)
「僕が昔ジュラシックパークのテーマを演奏するとなったときに、家族でユニバーサルスタジオジャパンに行って、ジュラシックパークのアトラクションに乗ったんです。そのときに、恐竜ってこんなに大きいんだ、こんな虫の音がするんだ、水の中にも恐竜がいるんだとか、実際にイメージがすごい湧いてきたんですよね。実際に体験・経験をすることで、物語が立体的になる。こういった経験が僕の物語を作るうえでのルーツになっているなと思います」

気温や季節、肌で感じたもの、目で見たもの。松村さんの様々な経験が、今、音楽に生かされています。音楽大学という次のステージ。「世界で活躍するピアニスト」という夢の実現にむけ、松村さんは新たな一歩を踏み出します。

(松村凜士郎さん)
「過去の経験が今すべて自分の音楽に生かされているので、これから経験すること全て自分の音楽に生かせたらなと思います。生かしたいという気持ちで、ワクワクでいっぱいです。僕に会いたいと思ってもらえるような、勇気と元気を届けられるようなピアニストになりたいです」

「勇気と元気を届けられるようなピアニストに…」