2月22日は猫の日ということで、特集は猫にまつわる話題です。高知市の女性が10年の月日をかけ、猫が暮らすための理想のケージを作りました。猫と飼い主の幸せを追い続ける女性の挑戦を取材しました。

マンチカンのハッピー君
ラグドールのカエデちゃん

ふわふわの毛並みが美しいマンチカンのハッピー君はやんちゃ盛りの2歳の男の子。一方、ラグドールのカエデちゃんはちょっと落ち着いた様子の15歳です。2匹の飼い主、柏井裕美子(かしわい・ゆみこ)さんは中学生のころから猫と生活をともにしてきました。

(柏井裕美子さん)

(柏井裕美子さん)
「ほかの動物もかわいいんですけど、猫特有のしぐさとか表情とか姿というのがより特別かわいく感じて猫ならではの仕草にキュン」

そんな2匹は、「おうち型」の、なんともかわいらしいケージで暮らしています。このケージ、実は、柏井さんが自分で作ったケージなんです。

“おうち型”のケージ

(柏井裕美子さん)
「大切な家族の猫に一般のケージって動物の檻っていう感じがあるじゃないですか。檻に入れるというのも気がとがめるところがあって、可愛いお家に住む特別な可愛い子っていう感じにしてあげたいなって思った」

市販品をどれだけ探しても無機質なケージが多く、出した結論が「売っていないなら自分で作る」。

「売っていないなら自分で作る」

およそ10年前から、休日などを利用して設計や木工の技術を身につけるところから始め、パソコンでの3D設計図の作成から、試作品の組み立てまで、すべてできるようになりました。3年前に勤めていた会社を辞めケージの製造販売を行うKokosuki株式会社を設立。同時にケージの量産に対応してくれるところを探し始めました。一から描いた100枚近くの図面と自ら作った試作品とともに熱意を伝え、ついに去年、高知市で家具の製造などを行っている「岡崎工芸」が量産に対応してくれることが決まったのです。

(岡崎工芸 岡崎圭 社長)

(岡崎工芸 岡崎圭 社長)
「図面をいっぱい持ってきて打合せする中でこの人は結構本物で情熱を感じたので、サンプルだけやってみようかなという感じで動かされた」

(柏井裕美子さん)
「協力してくださるその状況自体が夢を見ているんじゃないかというくらいありがたかったし幸せなことでした」

こうして完成したオリジナルの猫ケージ「手作り館」。猫と飼い主にとって嬉しいポイントが満載です。

小窓
明かり取り窓の意味合いも

(柏井裕美子さん)
「小窓から猫ちゃんが覗いたり手を出したりっていう仕草が非常に可愛くて、猫ちゃんが出入りする姿も非常に愛らしいですし、食卓とかの近くで座ったときにちょうど目線が合う高さでここから猫ちゃんの顔がよく見える明かり取り窓の意味合いもある」

お手入れのしやすさも特徴です。片方の面が全て開くことで、エサや水の交換、また、トイレ掃除もしやすいように設計されています。

片方の面が全て開く

そして、ケージの素材には県産のヒノキを使用。高い消臭、調湿効果に加え木の匂いによるリラックス効果もあるといいます。

ケージの素材には県産のヒノキを使用

(柏井裕美子さん)
「私がこれを作り始めた最初の原点として、試作品を作ったときに猫ちゃんが自ら中に入って顔を輝かせてなんていいおうちなんだろうって喜んでくれて、そのしぐさで分かるというか、それが起点になって…ぜひ猫ちゃんに幸せになってほしいと願っている方々にこの『手作り館』が届いたらいいなと思う」

10年の月日をかけた、理想のケージ。猫も飼い主も幸せになるために柏井さんの挑戦は続きます。猫ケージ「手作り館」はKokosuki株式会社のECサイトで販売されています。