問題は「地域の偏り」と 医師の“高齢化”

厚生労働省は7月、歯医者がいない地区=「無歯科医地区」についての調査結果を発表しました。

「無歯科医地区」とは、50人以上が暮らす半径4キロの範囲に歯科医療機関がなく、さらに交通の便が悪いなどの理由から、他の地区の医療機関へ通うのも難しい地区を指します。

新潟県内では十日町市の9地区、佐渡市の7地区、柏崎市や上越市の2地区など合わせて26地区が「無歯科医地区」とされ、2019年の調査と比べると、4つ増えました。特に山間部や離島などで、歯科医師の不在が大きな課題となっているのです。

「無歯科医地区」の一つである魚沼市の守門地域では…

【79歳の住民】
「歯科医院には定期的に行かないといけないから、『1回1回来てください』となれば送迎を子どもに頼んだり、自分で行けなければバスで行ったりしないとならないから大変…」

また、もう一つの問題が医師の高齢化です。
県歯科医師会によりますと会員の平均年齢は62歳で、2021年に行ったアンケートでは回答のあった447医院のうち、4割以上にあたる188医院が「高齢や後継者不足を理由に10年後の引退を考えている」と回答していました。

新潟県歯科医師会 松崎正樹 会長

【新潟県歯科医師会 松崎正樹 会長】
「もうすでに手遅れになりつつある。新潟県には2つの大学(歯学部)があって『歯科医師が多い』とついついどこかで考えていたところがあった。だけど現実にアンケートを取り、現場を見てみれば、どんどん閉院・廃院されるという状況が“進行形”。地域の偏りは喫緊の課題だと思っている」