“医師不足”と言われる新潟県ですが、実は“歯科医師の数”は全国7位ということをご存知でしょうか。
しかし、歯科医師が多い新潟県でも関係者は「将来、まちから歯医者がいなくなるのでは…」という危機感を抱いています。

そのわけは、“地域の偏り”と“医師の高齢化”です。

山間部の町“ただ一人”の歯科医

新潟県上越市の中心部から車で30分ほどの「牧診療所」は、山間部に位置する牧区で上越市が運営する唯一の医療機関。ここで市の職員として勤務しているのが、地元出身の歯科医師・杉田佳織さん(47歳)です。

「先生から入れ歯作ってもらったら固いものも食べられるし、嬉しいです」
【杉田佳織医師】「よかったです」

上越市牧区“唯一の歯科医” 杉田佳織さん(47)

杉田医師は14年前に赴任し、牧区でただ一人の歯科医師として一日に15人ほどの患者を診ています。

そんな杉田医師の職場に8月3日、珍しい訪問者が訪れました。
大学の歯学部の5年生で、歯科医師の“卵”です。
普段、なかなか目にすることのない『へき地での医療』を知ってもらおうと、新潟県歯科医師会が見学ツアーを初めて企画したのです。