都市部にはない“地域のつながり”
ゲートボール大会の参加者が、さっそく杉田医師を呼び止めます。
【住民】
「個人的な話ですけど…」
【杉田佳織医師】
「どっか調子悪い?」
【住民】
「上下、全部入れ歯なんだけど、すぐとれちゃって…。先生のとこ行ってもいいですかね?」
【杉田佳織医師】
「来てください。見せてもらって、直させてもらいますね」

杉田医師と住民のやり取りを間近で見ていた学生たちは、都市部にはない“地域のつながり”を垣間見て、新鮮な思いを抱いたようです。
【学生】
「目線を低く…、患者さんの目線に合わせて?」
【杉田佳織医師】
「そうそう。それは基本で。接し方で患者さんの反応も変わって来る」
新潟県歯科医師会が、こうした学生たちの見学ツアーを県内で初めて開催した背景にはある『危機感』がありました。

新潟は10万人当たりの医師の数が全国45位で、深刻な医師不足に陥っています。
一方で歯科医師だけに限ってみると、10万人あたりの歯科医師の数は全国でもトップクラスの7番目。しかしそこで問題となっているのは“地域の偏り”です。