「みんなで守る長岡花火」の真意

長岡花火をPRするはずのポスターに一切花火が写っていない理由を、長岡花火財団の戸田幸正事務局長は、こう説明しました。

「高額転売や迷惑駐車、大渋滞などいろいろな問題が起こっている中で、見る人がいろいろなことを感じてもらえるようなポスターになっています」

長岡花火をPRする数種類のポスターの中で、数十枚だけ作成したというこの花火のないポスター。
来てくれた人に“日本一の長岡花火”を「安全」に見てもらいたい。
そのためには、花火を見に来る人にも考えてもらう必要があるのではないかー

戸田事務局長は過去に起こった雑踏事故を挙げ、運営の難しさと危機感を口にします。

「2001年に兵庫県明石市で起きた歩道橋での事故。それから2022年の韓国・梨泰院で起こった雑踏事故。いずれも多くの方が亡くなりましたが、ああいうことが長岡まつり大花火大会の会場でも起きえます。イベントを主催する側とすると、『想定外』というのは本当は言ってはいけないことで、どんなことであっても想定をしていかなければならない。これは責任です」

多くの人に花火を見てもらいたい。でも、無料席に人が集中して雑踏事故が起こるかもしれない。様々な葛藤があり、長岡花火は全席有料化されているのです。

戸田事務局長は、「観客の命に関わるような安全の部分に関しては遠慮はしてはいけない」と話したものの、苦しい胸の内を明かします。

戸田幸正事務局長
「『あまり来てほしくない』というのは本心じゃないんです。本当は、多くの皆さんから長岡まつりの大花火大会を見て、何かを感じてもらいたい。守らないと祭り自体がなくなっちゃう可能性もあるわけなので…」