※先代当主 川崎昭三さん
「藍の本当の良さ、堅牢性と色合いの美しさと、薬効もありますので、そんなものをひっくるめて、もう一度藍を世に出してみたいと考えております」

昭三さんは私財を投げうって建物と藍染工場の復元を果たします。しかし、工場の本格稼働を目にすることなく、昭三さんは他界してしまいます。その時、川崎さんは、「華」とよばれる藍を発酵させてできる泡を作る技術さえ持ち合わせていませんでした。


※川崎惠美子さん
「まだ華(藍を発酵させる際にできる泡)を作れない自分があって。店をせっかく再興させたのに、ここで終わらせちゃだめだという気持ちでしたね」


藍は発酵する過程があることから「生き物」と表現されます。幾多の壁を乗り越え、現在、川崎さんが管理する藍は漬けては絞るを繰り返して発色を増し、さらに時間をおくことで風合いが増す伝統の技に支えられています。


※町田満彩智アナウンサー
「見てください、綺麗な色が出てきました」


現在、川崎染工場ではストールやハンカチなど多種多様な製品を作りながら、藍染めの体験教室を開いています。こうした活動を継承しさらに発展させようと、川崎さんは2023年工場を息子に託すことを決めています。
