青森県十和田市の高校で、当時17歳の男子生徒の頭に鉄製の農具が刺さり、亡くなった事故で、遺族が県と当時の実習助手を相手取り、約2億5000万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こしました。

遺族によりますと、亡くなった水野歩夢さんは「動物が大好きで、困っている人がいたら助けられる優しい子だった」と言います。

遺族は
「どうして実習助手は、外に引っ張り出してくれなかったのか本人の口から聞きたい」

訴えによりますと2021年12月、十和田市にある当時の県立三本木農業高校の牛舎での実習中、水野さんの近くに威嚇状態の牛を見つけた実習助手が、牛を鉄製の農具で降り下ろすように叩いたさい、農具が水野さんの頭に刺さりました。

水野さんは重度の昏睡状態に陥り、2024年3月に死亡しました。

また、原告側は実習助手が農具を振り回せば、接触することが予見できたと主張していて、県と当時の実習助手に対し、約2億5000万円の損害賠償を求めています。

遺族は
「もう二度と同じようなことが起きいように、自分の命を持って教えてくれたことを、ちゃんと考えてほしい」

県教育委員会は、2日の提訴について「厳粛に受け止めるとともに真摯に対応してまいりたい」とコメントしています。