2016年に自殺した青森県警の男性警部の「遺書」を遺族が公開しました。遺族は、職場でのパワハラや長時間労働が原因として公務災害を認めるよう訴訟を起こしています。

「お父さんは負けたけど頑張ってね!」
「今まで本当にありがとう。また会えたら…」

これは、2016年7月に自殺したとされる県警に勤務していた当時55歳の男性警部の遺書です。11日に遺族が会見を開き、遺書を公開しました。

2021年、遺族は男性が「うつ病」を発症して自殺したことは職場内のパワハラや長時間労働が原因として地方公務員災害補償基金を相手取り、公務災害の認定などを求めて訴訟を起こしました。

一審の青森地裁は「自殺は公務に起因しているとは認められない」などとして、2025年3月に原告の訴えを棄却し、遺族は判決を不服として控訴しました。

遺族
「私たち遺族は戦い続けてきました。最後までやれるところまでやってみよう。夫の死をただの死で終わらせてはいけない。控訴審では、真実を明らかにし、公平な審判をくださることを切に願います」

また、会見では一審の判決後、男性と同じ部署で勤務をしていた元警察官がパワハラに関する新たな情報提供をしたことが明らかになりました。

小野寺 義象 弁護士
【情報提供の内容】の読み上げ

「補佐(男性警部)が亡くなる前日の夜。その日が当直だった私は遅くまで仕事をしていた補佐に『こんなに遅くまで大変ですね』と声をかけると、補佐は『またやつ(上司)にやられた。どうしようもない。どうなってる。これならいつになっても仕事が終わらない。エンドレスだ』などと話していました」

県警察本部は青森テレビの取材に対し「必要に応じて誠実に対応してまいります」とし、被告の地方公務員災害補償基金は「係争中のためコメントは差し控える」としています。