急激な視力低下に心が追いつかず サッカーも「ボール来るのが嫌だし怖かった」

 大志くんは1.5あった視力が、右目は0.03まで、左目はほとんど見えなくなってしまいました。相手の表情がわからないため、人と話すことが怖くなりました。文字が読みづらくなり、勉強にもついていけなくなって、次第に引きこもるようになりました。

 (父 和生さん)「もう荒れて荒れて、そこらのふすま蹴っ飛ばして穴開けたり」
 (母 京子さん)「イスひっくり返してイスの後ろに穴開けたり。もう本当に自暴自棄ってこういうことかというくらい。なんでこの子だけもうちょっと丈夫に産んであげられなかったのかなという思いはある。でも一度も私は責められたことはないんですけどね。『お母さんのせいだ』ってあの子は1回も言ったことはないけど。でもただサッカーはやっぱり好きだったので」
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 大志くんは急激に迫ってくる暗闇に恐怖と不安でいっぱいでした。続けてきたサッカーも次第にできなくなっていきました。

 (沖平大志くん)「味方と見間違えて相手にパス出しちゃったり、パスも思うところに出せないから。もし試合に出してもらってもあんまりボール受けたくないんですよ。見えへんし、ミスるし、楽しくないし。言われたら嫌じゃないですか。だからボール来るの嫌やし怖いし、そんな感じでした」

 そんな時、ある出会いが大志くんを大きく変えました。