安倍晋三元総理が銃撃され、死亡した事件では、7月11日に「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」が記者会見。すると翌12日に、旧統一教会による霊感商法被害の根絶や被害者の救済を目的に活動している「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が、都内で記者会見を行いました、その主な内容をまとめました。

本日の会見の趣旨が記載されている声明文を読み上げさせていただきます。

1 山上被疑者が、安倍晋三元首相を死に至らしめた今般の卑劣極まりない行為は、いかなる理由があろうとも決して許されないことです。当会は、安倍元首相のご冥福を心からお祈り申し上げます。

2 山上被疑者の母親が統一教会に多額の献金をし、家庭を崩壊させられたことへの恨みが今回の事件の動機であるという報道が事実だとすれば、同被疑者が母親の常軌を逸する統一教会への献金をはじめとした忠実すぎる活動のためどんなに苦しんできたことか。多くの元信者やその家族、二世信者の苦悩や葛藤、生活の困窮などの悩みに接してきた当会としては、かねてよりこのような実情について心から憂いてきたことであり、その意味で、山上被疑者の苦悩や教会に対する憤りも理解できます。家庭を崩壊させる統一教会の活動について行政も政権を担う党の政治家もこの30年以上何も手を打ってきませんでした。今回の行為は決して許されることではありませんが、こうした問題に対し社会としてどう取り組むべきかが改めて問われているとも思います。

3 安倍元首相が、統一教会やそのダミー組織のひとつである天宙平和連合(UPF)などのイベントにメッセージを発信することを繰り返し、特に昨年9月12日の「神統一韓国のためのTHINK TANK2022希望前進大会」(UPFのWEB集会)でビデオメッセージを主催者に送り、その中で文鮮明教祖(2012年死去)の後継の教祖・韓鶴子氏に「敬意を表します」と述べたことは、統一教会のために人生や家庭を崩壊あるいは崩壊の危機に追い込まれた人々にとってたいへんな衝撃でしたし、当会としても厳重な抗議をしてきたところです。政治家の皆様が政治的信念にもとづいて意見を述べ行動されることについて当会として異をはさむものではありません。しかし、その献金・勧誘行為や信者獲得手法について繰り返し違法である旨の判決が下されている統一教会やそのダミー組織の活動について支持するような行動は厳に慎んで頂きたいと改めて切実にお願いいたします。

4 統一教会の霊感商法の手口による金銭収奪行為や正体を隠してビデオセンターに誘い込んで信者にしていく行為が、信者となった者やその家族の人生を狂わしあるいは狂わしかねないものであることについて、少しでも理解して下さるよう願います。

そして最後、声明5ですが、今回の事件や報道、SNS等の投稿によって、傷つき、苦しむ統一教会の現役信者、特に二世の信者、あるいは三世の信者の方が存在することを念頭に置いていただきまして、取材、報道、投稿は非常にありがたいことでありますけれども、慎重にされることを望みたいと思います。続きまして、代表世話人の山口先生の方から、本件についてコメントさせていただきたいと思います。