帰国もできず日本で働くこともできず…不安募る日々

 マーさんは2020年8月、安心して日本にとどまる権利を求めて難民申請しました。しかし、2020年の日本の難民認定者は47人。認定率はわずか0.5%に過ぎません。

 入管に来ると、近くの海辺で、家族に電話します。

 (付き添っていたウィンさん)「入管に行くとすごく悩むから、ここに来ると落ち着くからって」
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 インターネットは国軍に遮断され、つながるかは運次第です。この日はついていました。

 【テレビ電話でのやりとり】
 (マーさん)「おばあちゃん~!おばあちゃん元気?」
 (祖母)「元気よ、きれいになったね」
 (マーさん)「きれいでしょ?おばあちゃん見えないよ、携帯電話を下におろして」
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 帰国して家族に直接会いたくても願いは叶いません。そして日本では仮放免の身。働くこともできず貯金を取り崩す日々に不安が募ります。

 (プィン・マー・ピューさん)「(仮放免で)労働を禁止されているので、私自身の存在感が無くなっている気がします。これからが不安です。労働禁止は人権侵害だと思います。いまミャンマーでクーデターが起こり、犠牲になった人たちや戦っている人たちにお金を寄付したいけど、それさえできない人間なので。私自身が使えない人間だとわかってきて、とても落ち込んでいます」