「報酬のために実行に加わったことは強く非難されるべき」裁判長が下した判決

今月5日の裁判―。検察側は「借金の返済のために安易で自己中心的な意思決定で犯行に参加した。社会を震撼させた大事件で、被害結果が大きい」と指摘。また、被告が暴行を加えた点に触れて「積極的に行動した」などと述べ、懲役16年を求刑した。

一方で、弁護側は「途中で逃げ出すことが困難だった。指示役や他の実行役のリーダーに従属的な立場だった」などと主張した。

最後に被告は「今回の事件のこと、被害者の方々のこと、自分自身のことを考え続けて生涯をかけてつぐなっていきます。本当に申し訳ありませんでした」と述べ、裁判は結審した。

結審から3日後に迎えた判決の日。被告は、横じまの服に黒のズボンでにマスク姿で法廷に姿を現した。

「主文、被告人を懲役14年に処す」

広島地裁の 日野浩一郎 裁判長は「被害者らの肉体的・精神的苦痛は計り知れず、経済的損失も大きい」と指摘。「暴行を加えて被害者を制圧する強盗の計画を分かっていたのに報酬のために実行に加わったことは強く非難されるべき」などとし、懲役14年の判決が言い渡された。

被告は、微動だにせずじっと判決を聞いていた。

誰もが簡単に手を出すことができる “闇バイト” 。22歳の青年は、自身の犯した過ちについて、こう語っていた。

「今、振り返ってみて自分の犯罪に対する意識が薄かったです。被害者の気持ちを考えられていなかったです。友人との約束と社会で決められていた法律の、守らなければならない順位が間違っていました」