「疲労がポン!」と?

ヒロポンとは、もともと古代ギリシャ語の「Philo-ponus」すなわち「労働を愛する」が語源です。これを服用すると眠らなくてもガンガン仕事ができる、ということで、戦前は深夜労働者、受験生などに広まりました。

倦怠感を取り除き、眠気を一掃し、頭脳を明晰化する。これがキャッチフレーズというのが驚きです。

この「ヒロポン」というちょっとかわいらしくも感じる名前には「疲労がポンと吹き飛ぶ」という意味も込められていたようです。
しかし、この薬が、戦時中は死の恐怖を吹き飛ばすために、軍隊で盛んに使用されるようになります。当時の軍部はいわば国策として、増産を重ねました。錠剤は「突撃錠」などと呼ばれ、兵士に支給されたのです。