顔を描く「彩色」 表情を見ながらミリ単位で調整
去年12月1日、京都の山奥、大原野にある工房には朝早くから弟子たちが集まっていました。
この日は、顔を描く「彩色」を行います。時を経て大仏の顔に命が吹き込まれる瞬間。任されたのは彩色部の岩田明彩さん。明観さんから絶大な信頼を得ている彩色職人です。
作業中、明観さんは明彩さんに、左目の瞳の位置をずらす指示を出しました。大仏は見る角度によって表情が変わるといいます。お堂に入った状態を想定して、筆を入れては様々な角度から大仏の表情を確認。ミリ単位の地道な作業が続きます。