そして、もう一つの課題が屋内退避です。能登半島地震では、石川県の志賀原発周辺の地域で住宅の倒壊が相次いで発生。

現在の国の指針では、原発から半径5キロから30キロ圏内に住む住民は事故時に被ばくを避けるため、まず自宅などに留まる「屋内退避」を原則としていますが…

原子力規制委員会 山中伸介委員長
「木造家屋が多いようなところで屋内退避ができないような状況というのが発生したというのは事実なので、その点の知見をきちんと整理した上で、もし災害対策指針を見直す必要があったら、そこはきちんと見直していきたいと思っている」

原子力規制委員会の山中伸介委員長は17日、事務局の規制庁に対し、この避難の考え方について指針の見直しを検討するよう指示しました。

東京大学大学院の関谷教授は、複合災害の避難方法についてより現実的に考えるべきだと話します。

東京大学 大学院 関谷直也教授
「特に現実的に屋内退避が可能なのかどうかということによって、UPZ=原発から5キロから30キロ圏内の方々がどう行動すればよいのかが大きく変わってくる。全国の原子力発電所も含めて検討が始まると思うので、それを踏まえて新潟県内でももう一度きちんと避難計画を考えていくことが必要だと思う」

柏崎刈羽原発に出されていた事実上の運転禁止命令が解除され、県内では今年再稼働をめぐる動きが本格化するとみられています。いざというときに住民の命をどう守るのか…向き合うべき課題が残されています。