「なぜ、今回の能登半島の活断層は未掲載なのか」

 評価された活断層の一覧を見て気になる点がありました。今年の正月に能登半島で巨大地震を起こしたとされる能登半島付近の活断層は、S、A、Z、Xランクを含めて長期評価の一覧に含まれていないのです。現地では数年前から群発地震も起きていたのに、これはどういうことでしょうか。京都大学防災研究所の西村卓也教授に聞きました。

――能登半島の断層は、政府の地震本部や専門家にとって「未知の断層」だったのでしょうか?

西村卓也教授: 「能登半島『沖』の活断層は、活断層の専門家にはよく知られた断層です。国土交通省や石川県の津波想定のための断層としても用いられています。ただし、地震本部の活断層としては評価されていませんでした。」

――確かに、石川県の資料(画像右)には、今回の震源付近の断層が記載されて、津波想定もされています。いっぽう地震調査委の資料(画像左)に活断層は未記載、なぜ評価対象に入っていないのでしょうか。