地下50mに「大容量送水管」 ポイントは“地盤のずれ”に強い構造
こうした経験を教訓に、神戸市では“災害に強い水道”を目指した取り組みが行われています。地下50mの場所につくられていたのは、直径2.4mの「大容量送水管」。神戸市は震災の翌年から工事を行い、20年かけて東灘区から兵庫区にかけ約13kmにも及ぶ大容量送水管を完成させました。
どこが災害に強いポイントなのか、神戸市水道局・浄水統括事務所の橋上重弘所長に聞きました。
(神戸市水道局・浄水統括事務所 橋上重弘所長)「断層用鋼管といいまして、断層のある位置に少しくぼんだ鋼管を配置していて、地面の動きに対して鋼管が追随して動くような形にしております。このでっぱりがあることで、地面が断層でずれても鋼管が動いても大丈夫。水が漏れないような形になっております」
溝がストローの曲がる部分のような役割を果たしていて、地盤がずれても水道管が損傷しない構造になっているのです。しかも揺れに強いだけではなく…。
(神戸市水道局・浄水統括事務所 橋上重弘所長)「この管の中には約5万9700立方メートルの容量がありますので、神戸市民全体で150万人としまして、1人1日3リットルの水を12日間か13日間くらい使用できる分を貯水しています」