ロシア音楽との決別・・・日本人芸術監督と共につくる新しい「冬の風物詩」

日本で公演を行うウクライナ国立バレエ Photo:瀬戸秀美 写真提供:光藍社(KORANSHA)

「雪の女王」はアンデルセンの童話を基に、ウクライナ国立バレエが2016年につくったオリジナル作品。子どもも大人も楽しめ、冬を彩るバレエ作品としてウクライナの人々に愛されている。

バレエの冬の風物詩といえばチャイコフスキー作曲の「くるみ割り人形」が有名だが、敵国ロシアに由来する作品のため、現在は上演を見送っている。

芸術監督・寺田宜弘さん
「もちろん芸術と政治は別。しかし、もうすぐ戦争が始まって2年が経ちますが、その中で多くの国民の命が失われているんですね。そういうことを考えると今は人の心、命を選ぶべきだと思います。多くのウクライナの人々が苦しんでいる中、ロシアの文化とは今は関わる時ではないです。」

ウクライナ国立バレエの芸術監督 寺田宜弘さん

実は「雪の女王」にもチャイコフスキーなどロシア人作曲家の音楽が使用されていた。そのため音楽を差し替え、新たな振り付け、新たな演出が施された。

芸術監督 寺田宜弘さん
「戦争は必ずいつか終わる。終わった時に今まで以上に素晴らしいウクライナの芸術にしていくためには、今あるものを大事にして残し、新しい時代に、次の世代にウクライナ芸術を渡していくことがウクライナに残った私たちの大きな仕事です」