「存在自体、知らない」活用されなかった見守りネットワーク
富山市の担当者は…

富山市の担当者
「登録した方であれば、徘徊が発生した時に情報が配信される仕組みになってます。途中で登録するってことですか?それはないですね」
実は、富山市の見守りネットワークで探してもらえるのは、事前に登録された人だけだ。
片口さんは登録していなかった。片口さんの次女は、富山市のシステム自体を知らなかったという。

片口さんの次女
「そういうものの存在自体、知らない。分からない、何も知らないですよ。いなくなった、どうしよう探さなきゃって。そういう心配しかしていないので」
片口さんは行方不明から5日後、遺体で見つかった。死因は低体温症だった。
富山市から、隣りの立山町をまたぎ、上市町まで移動。施設からは20キロも離れた場所だった。

片口さんの次女
「申し訳ない気持ちで、本当にごめんねしか言えなくて」
警察のネットワークからも、富山市のシステムからも情報を得ることができなかった片口さんのケース。
富山県は警察と市町村が連携するよう依頼していると言うが…

富山市の担当者
「必ず警察の方から市町村の方に情報提供してくださいとか、そこまでの強制力というか、絶対こういうふうにやり取りをしてください、というところまではまだ至っていないです」
増え続ける認知症の高齢者。行方不明者の命を救うため、警察や行政がどう連携して情報を集めるか、改善が求められている。