認知症の高齢者が行方不明になってしまう、そんなケースが全国で相次いでいますが、富山県ではある理由で多くの死者が出ています。1年にわたって多くのケースを取材した結果、高齢者の命を守るための課題が見えてきました。

どうして目を離して…認知症の妻は不明になって約半年

自宅から、妻が姿を消してからまもなく半年になる。富山県射水市の高田倶行さん。痛む足を引きずりながら、いまも妻を探している。

富山・射水市 高田倶行さん(80)
「発見されることだけを祈るしかないなと思って。気持ちを…余計なことを考えるとだんだん辛くなるからね」

妻・きみ子さん(76)。

ーー奥さんの事を思い出しますか?

高田倶行さん
「毎日思ってるもんだから、特別に思ってるということはない」

夫婦で旅行に行くのが何よりも楽しみだった。だが認知症を患い、いなくなった当時は曜日の感覚もなくなっていたという。

いつも夕食を共にしていたきみ子さん。あの時、どうして目を離してしまったのか、悔いが残る。