行方不明者の情報を集めるネットワークに情報を流すも…
では、活動的で行動範囲の広い高齢者をどう守れば良いのか?富山市の87歳、片口重明さんのケースで検証する。

2023年3月14日午前9時半ごろ、片口さんは入居していた高齢者施設から姿を消した。
高齢者施設の職員
「いつの間にか洗濯場のところのドアが開いてまして、利用者さん全員確認したところ1人だけいない状態」

施設は警察に午後0時9分に通報。それから2時間後、警察は自ら運営する行方不明者情報を集めるネットワークに、片口さんの情報を流した。
ここに情報を流すと、登録されている市民や各自治体から、手がかりが寄せられる仕組みだ。だが片口さんの情報は、どこからも入ってこない。

警察によると、運用開始から8年経つが、このネットワークから得られた情報で、行方不明者が見つかったケースは少ない。個人情報の問題で顔写真などを載せられないことが理由の1つだという。
では、片口さんが住む富山市はどうしていたのか。実は富山市にも警察とは別の認知症高齢者を捜索するシステムがある。
タクシー会社や配達業者、交通機関など富山市内の550の団体が捜索に協力し、手がかりが見つかれば24時間365日専門スタッフが窓口対応する。
ところが、この富山市のシステムは片口さんのケースでは活用されなかった。なぜなのか?