当時、近所に住んでいた見ず知らずの男(=当時17歳の元少年)が殺人容疑で逮捕・起訴されたのです。

犯罪被害者の遺族 堤敏さん
「犯人が逮捕されるまでの月日は、事件の日、事件の時間、そのときを思って、見えない犯人の姿だけを追いかけて、過去に目をやって、後ろを見て過ごしてきました。
犯人の逮捕で大きくその局面が変わり、前を向いて未来を見据えて公判に備えた、先を見る生活に変わりました」

そして今年6月、神戸地裁は男に対し懲役18年の判決を言い渡しました。男はこの判決を不服として大阪高裁に控訴しています。

堤敏さん
「刑が執行されて、社会的に解決したとされても、被害者には解決ということはなくて…犯罪被害は自分には関係ないことやね、遠い別の世界で起こっていること、そう思いがちです。私も犯罪被害者遺族と呼ばれるまではその1人でした。
常に周りに注意を払って気をつけて目を光らせて、そうして生活してくださいとそこまでは言いません。ただ、事件や事故の被害っていうのは、いつどこで誰がどのような被害に遭うかわからないんです。思っている以上に、身近にあるものだということだけは知っていただきたいなと思います」