近づく冬を前に各地で新酒の仕込みが始まっています。
350年以上の歴史を持つ鳥取県米子市の酒蔵でも作業が続ていますが、原料高騰や海外販売の不振など日本酒造りは、かつてない苦境に立たされています。
蔵から立ち上る、朝の湯気。
冬の訪れを感じさせるような冷え込みとなったこの日、米子市にある老舗の酒蔵「稲田本店」を訪ねました。
創業は延宝元年(1673年)、350年以上の歴史を誇り多くの人に愛されるこの蔵でも早くも新酒の仕込みが始まっています。
この日は酒米を蒸す作業、「蒸米」が行われていました。

「甑(こしき)」と呼ばれる大型のせいろで蒸しているのは、地元・鳥取県産の酒米「五百万石」。
「外硬内軟」と呼ばれる麹菌が繁殖しやすい理想の状態になるよう、その日の外気や酒米の性質を見極めながら、蒸気の圧力や時間を管理します。














