岡田医師が「妄想」と見解を示したエピソードの一部
岡田医師は、青葉被告が25歳で「世界経済などに興味を持った」ことや、26歳で「窃盗や住居侵入などで逮捕されたこと」が、のちの “妄想の主題”となったとみた。
・郵便局で勤務していた頃、兄から前科を暴露された(被害妄想)
・財務大臣にメールを送るなどして日本経済に影響を及ぼしたことで、闇の人物=ナンバー2に目をつけられた(誇大妄想)
・女性監督から掲示板で「レイプ魔」と言われた(関係妄想)
・女性監督の書き込みを見て、自分の小説に言及されたと思う(関係妄想)
・応募した小説を落選させられた上に、アイデアを盗用される(被害妄想)
・訪問看護師を公安だと思い込む(関係妄想)
▼犯行の決意は、「被告の孤立」と「妄想」が影響
岡田医師は、「”公安警察やナンバー2に監視されている”などの妄想から被告が孤立していたことや、”自分の小説を落選させた上、京アニはアイデアをパクりまくって利益を上げ続けている”などの妄想から、『こうした状況を終わらせるか、今のまま続けるかどちらか選ぶしかない』と考え火をつけた」と話し、▼「応募した小説が落選した」という現実に対し、“故意に落選させられた”などの被害妄想を持ったという被告の「思考」的側面や、▼猜疑心や独善性が強く、怒りやすく攻撃行動しやすいという被告の「行動特性」については、それも「妄想世界で被害を受けていることのいらだちも関係している」などと、精神障害と犯行の関係について説明し、「妄想は犯行の動機を形成している」との鑑定結果を示した。