ブラジルの子どもたちのコミュニケーション力に仰天

―――3か月も通われたんですか?
日本から来たブラジルの教育に興味がある人っていうことで、教室に座らせてもらって、ずっと授業参観をさせてもらったような形でした。でも、いきなりビックリしたのは、1時間ぐらいの授業なんですけれど、初日に「きょうは日本からゲストが来ています」と紹介をされて、パチパチパチって拍手されて授業がスタートしたんですけれど、もし日本に外国から誰か授業参観をする人が来たときはパチパチパチって拍手して終わりだと思うんですが、ブラジルの子どもたちは全然、違ったんです。
―――何が違ったんですか?
1時間の授業が僕への質問で終わっちゃったんですよ。「日本の食事ってどうなの?」とか、「日本ってアニメが流行しているんでしょう?今の流行を教えてよ」とか、「日本のゲーム事情を教えて」とか、みんなすごく積極的に僕に質問してきて驚かされました。ブラジルの大人は自己表現力が高いと思っていたんですけど、「子ども時代からこんな感じなんだ」っていうのを知って初日から衝撃を受けたのを覚えています。
―――子どものころからコミュニケーション力が高いんですね?
ブラジルの良いところ、日本の良いところそれぞれあると思いますが、ブラジル人が自己表現を豊かにするのは、日本が学んでもいいところだと思いました。僕たちは「社会で生きる力」って呼んでいるのですが、自己表現力だったり、コミュニケーション力だったり、プレゼンテーション力だったりのブラジルの人たちが持っている力、つまり日本の受験には出てこないような力と、日本の受験に出てくるような基礎学力のどっちもあったら最強だなと。そうすると一番、笑顔の総量を増やせるなって思いましたね。