三井物産に入社後「笑顔の原点」を探しにブラジルへ

―――大学院を修了されて大手総合商社「三井物産」に入社されたんですよね?
 起業をする前は三井物産で働いていました。元々、大学時代に就職活動をするときに「何のために働くのかな?」と考えました。ちょうど大学生のときにお笑いをやっていたこともあって、当時「国民総笑顔量」、グロス・ドメスティック・スマイル「GDS」って呼んでいたんですけど、仕事を通して「人の笑顔の総量を増やすような仕組みを作りたい」という考えに至りました。人材や財源が豊富な三井物産だとそうした仕事ができるんじゃないかと思い、就職先に選びました。

―――入社した後ブラジルに留学されたんですよね?
 いろいろと調べる中で、ブラジルは「あなたは幸せですか?」って訊ねられたら「幸せです」って答える率が世界1位だと、当時何かのデータで見たんです。そこでブラジルが面白いなと思いブラジルに行こうと思い立ちました。「なぜブラジル人は幸せなのか?」を追求することで、笑顔の原点がわかるんじゃないかと考えました。ちょうど当時、ブラジルに留学する制度が三井物産にありましたので「笑顔の原点を探しにいかせてください」とお願いをして留学させてもらったんです。

―――実際にブラジルの人は笑顔が多かったですか?
 非常に笑顔の総量が多い国だと思いましたね。なので留学しながら、なぜ笑顔の総量が多いのかを追求する旅を約1年間しまして、そこから教育事業をやろうと思うようになったという感じなんです。きっかけは、たまたまパーティーで出会ったブラジルの公立高校の先生でした。僕の思いをつたないポルトガル語でプレゼンしまして「教育の現場を見てみたいんだ」と言ったら「いいよ、私の学校に来なよ」ってことで入れてもらってですね、先生のクラスに3か月間ずっと通わせてもらいました。