ロシアのウクライナ侵攻から3か月。プーチン大統領は、相次いで西側の首脳と穀物輸出などについて電話会談を行っています。
その中でプーチン大統領は「この混乱についてロシアの責任を追及する試みは、根拠がない」「不安定な食糧供給の本当の理由は、西側諸国の誤った経済・金融政策とロシアへの制裁によるもの」と発言、“ロシアは悪くない”という主張を貫いています。その裏にはどんな狙いがあるのでしょうか?専門家が解説します。
■相次ぐ“首脳会談” 穀物問題「原因はロシアへの制裁」と主張

南波雅俊キャスター:
ロシアがウクライナに侵攻してから約3ヶ月。プーチン大統領は、イタリアのドラギ首相やオーストリアのネハンマー首相、また、フランスのがマクロン大統領、ドイツのショルツ首相やトルコのエルドアン大統領と電話会談を相次いで行いました。
その中の焦点の一つになっていたのが、やはり「ウクライナ侵攻による穀物の輸出の激減」です。
世界的な小麦の高騰もありますが、イタリアのドラギ首相との会談(5月26日)で、プーチン大統領はロシアが世界の食糧供給を混乱させたのではないかと指摘されたことについて、「生産とサプライチェーンの失敗および、コロナ大流行時の欧米諸国の金融政策により引き起こされた部分もある」として、ロシアのせいではないと主張しました。
また、オーストリアのネハンマー首相との電話会談(27日)でも「(この混乱について)ロシアの責任を追及する試みは根拠がない」と主張しています。

そして、フランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相との会談(28日)では、「不安定な食糧供給の本当の理由は、西側諸国の誤った経済・金融政策と対ロ制裁によるもの」として、ここでもロシアに責任はないと主張しているのです。
さらに、トルコのエルドアン大統領との会談(30日)では、ロシアによる黒海封鎖について「ウクライナの港からの輸出も含め、海上輸送を妨げないようにする用意がある。対ロ制裁を解除すれば大量の農作物を輸出できる」と話しました。