30年以上前から運営していた渡船業者に『神戸市から突然の通知』

 しかし去年、突然ここでの釣りができなくなったといいます。取材班は「神戸渡船」の本木昌征さん(54)に話を聞きました。

 (神戸渡船 本木昌征さん)
 「去年の8月11日に『立ち入り禁止の場所へ渡船をしている遊漁船がみられる』という通知の紙が来たんです」
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 本木さんは30年以上前から沖合の防波堤に釣り客を運ぶ渡船を運営してきました。しかし去年10月に神戸市から通知が届きました。

 (神戸市からの通知の内容)
 「防波堤は、外洋から打ち寄せる波を防ぎ、波浪などから陸を守るために設置された港湾施設であるため、原則として立ち入りは認めておりません」

 通知書には「防波堤へ侵入した場合には身柄の拘束などに処されることがある」とも記されていました。
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 (神戸渡船 本木昌征さん)
 「遊漁船の許可は(兵庫県から)取っているんですけど、それでいけるもんやと思っていたんですよ。今までうちでも30年近くやっているんで、今ごろ…って感じですね」
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 本木さんによると、毎年8000人ほどの釣り客を防波堤まで渡していて、防波堤での釣りは神戸市の観光マップに掲載されていたこともあったといいます。

 神戸市からの通知や、去年11月に防波堤に立ち入り禁止の看板が設置されたことで、今年1月から渡船の営業は休止。収入が突然ゼロになった本木さんは、海上で仕事をする作業員を現地まで運ぶアルバイトなどをして生計を立てていますが、先が見通せない状態だといいます。

 (神戸渡船 本木昌征さん)
 「観光産業なんでね。けっこう歴史も古いんで、できたら再開できたらいいと思いますけれどもね」