2025年にHBCが配信したニュースの中から反響が大きかった記事を振り返ります。
7月に配信したこの記事は、「男性カップルの出産と育児」という、現在の日本の法制度や一般的概念では不可能と思われがちが領域の「リアルな日常」を可視化しました。
単なるトランスジェンダー論にとどまらず、トランス男性が自ら出産し、パートナーと共に育児に奮闘する姿を「とても幸せ」という肯定的な感情を軸に描いたことで、読者の好奇心を「共感」へと昇華させたと思われます。そして「自分らしく生きる勇気」という前向きな姿勢に、多くの読者が心を響かせたのではないでしょうか。
以下、2025年7月26日配信の記事を再構成しました。
こころは男性のきみちゃんの、妊娠・出産
ちかさん(36)とパートナーのきみちゃん(32)。
そして2歳になった長男みぃくんと、2月に生まれたばかりの長女じゅったんです。
ちかさんは、からだは男性、こころは男性ですが、日によって女性よりの日もあって、好きになるのは男性だけ。きみちゃんのことは、「ひとりの人間として優しいし、頼りになる」と話します。
きみちゃんは、からだは女性、こころは男性のトランスジェンダーです。からだの性別と戸籍を男性にすることを考えていましたが、ちかさんと出会い、2人の子どもを持ちたいと思い中断。子どもを産むことを決意しました。
初めておなかに授かった羅希(らき)ちゃんを、失う経験をしました。
インターネット上で、「ただの変態カップル」「申し訳ないけど気持ち悪い」などの心無い言葉を浴びました。
それでもきみちゃんは、こう話していました。
「世間から、父親と母親っていう概念がどうとか、子どもがいじめられるとか、かわいそうって言われてた。そんなことない、そんなことさせない、そうじゃないっていうところを、ちかさんと見せていきたいと思っていた」

自分が男性だと思っているのに、妊娠・出産をすることには、大きな葛藤もありました。
前編(関連記事)ではこれまでを振り返りながら、家族の今の姿をお届けしましたが、この記事では、妊娠・出産を経て、きみちゃんが今思うことについてお伝えします。

















