アサリ発見を機に『自然を再生するプロジェクト』

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清掃活動や工場排水の規制が進んだことなどで環境は少しずつ良くなっていましたが、一気に加速したのは12年前、運河でアサリが見つかったことでした。「もっと環境を良くすれば生き物がさらに戻ってくるのではないか」。そう考えて服部さんや漁師の糸谷さんらが『自然を再生するプロジェクト』を立ち上げたのです。
(兵庫漁協 糸谷謙一さん)
「アサリを増やすということを勉強していくうちに、環境を良くして里海(魚が育つ場所)作りをすることが漁業者として一番いいんじゃないかなと思って。稚魚の産卵場とか育つ場所をこういうところに作って、ここから湧き出る魚で僕たちは生計を立てるのが一番理想ですかね」

そこで目を付けたのがアマモの育成でした。アマモには、赤潮の原因になるリンや窒素などを吸収して光合成で水中に酸素を供給する水質改善効果と、魚の隠れ家になり稚魚が育ちやすい環境を作る効果があると言われています。
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実際、運河に潜ってみると、生い茂るアマモの葉の間にはメバルなどの稚魚がたくさん確認できました。
生き物を育み“海のゆりかご”とも呼ばれるアマモ。水質を改善しながら、将来の漁獲量の増加にも期待できる、まさに一石二鳥というわけです。














