かつては底にヘドロ、表面に油といった状態で水質汚染が問題になっていた『兵庫運河(神戸市兵庫区)』。しかし、地域の人たちの手によって運河は変わりつつあります。きっかけとなったのは、みそ汁の具材でもおなじみの“あの生き物”でした。

 6月13日、夜明け前の午前4時、港を出航した漁船が神戸沖を目指します。
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 網を引くこと2時間、揚がってきたのはイワシなどの稚魚・シラスです。5月に漁が解禁されたばかり。今が旬です。
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 兵庫漁協に所属する糸谷謙一さん(41)。

 (兵庫漁協 糸谷謙一さん)
 「神戸のシラス漁ってあまり知られていないと思うんですけど結構昔から盛んで。見えている船すべて神戸の漁師さんです。釜揚げが一番ですかね。とれたやつをその日のうちに釜揚げにして食べる」

 この時期は週に4日、シラス漁に出ていますが、一方で、もう1つ取り組んでいる活動があります。

兵庫運河でアマモを育てる実験

 5月下旬、漁協近くの兵庫運河に糸谷さんの姿がありました。
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 漁師仲間や研究者らと連携して、ここで水草のアマモを育てる実験をしているのです。

 (兵庫漁協 糸谷謙一さん)
 「30cmをちょっと超えとる。これ成功事例ちゃうんですかね」
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 いろいろな場所にアマモを植えた鉢を沈めて成長に適した環境を探ります。

 (兵庫漁協 糸谷謙一さん)
 「アマモに卵を産み付ける魚もいますし隠れ家にもなりますし。生き物が戻る場所づくりです」