■おむつ灰が洗剤に!?発想は“工場の煙”

研究は、2021年度からスタート。当時の「チームおむつ灰」メンバーは、おむつ灰に含まれる「炭酸ナトリウム」という成分に着目し、洗剤として使用されている「セスキ炭酸ソーダ」の生成に挑みました。
発想のきっかけとは…?
西条高校科学部(化学分野) 大屋智和顧問
「当時の部員が、工場の煙の中に含まれるCO2に着想して生まれた研究なんです。煙を見て炭酸ナトリウムと二酸化炭素を反応させるという論文を見つけ、そこから『洗剤ができるんじゃないか』と思いついて、この研究が発展しました」

まず「炭酸ナトリウム」そのものから「セスキ炭酸ソーダ」の生成に取り組んだ結果、見事成功。翌2022年度も継続し、生成率は、当初の1割程度から95%にまで大幅にアップしました。
「チームおむつ灰」のこうした研究成果は2022年10月、高校化学グランドコンテストで上位2チームに入り、2023年2月に台湾で開催された世界大会の出場権を獲得。

入賞はならなかったものの、大会に訪れていたチュニジア政府の教育関係者の目に留まり、翌3月、現地の世界大会に招待されると、準グランプリにあたる金メダルに輝きました。
元チームおむつ灰 新本友季さん(3年)
「いつも頑張ってきた研究が世界的にも評価されたことは大きな達成感につながりました」
元チームおむつ灰 横井良音さん(3年)
「世界大会ということで、いろいろ準備が大変だったんですが、楽しんでできた上に結果にもつながったのでとてもうれしかったです」