宮城県石巻市にシカをしとめることを生業とする猟師の男性がいます。男性は、シカをそのまま廃棄するのではなく食材として蘇らせることで「命」を循環させることを信念としています。鈴木カメラマンの取材です。

石巻市と女川町にまたがり、三陸海岸の最南端に位置する牡鹿半島。きれいな海と豊かな森に囲まれています。牡鹿半島でシカなどの駆除を行っている石巻猟友会、シカ猟師歴25年の小野寺望(55)さんです。


シカ猟師 小野寺望さん:
「増えすぎたシカを一定数まで抑えるために今から猟(駆除)します」


山を猟師で囲み、猟犬でシカを追い込む巻狩りで駆除を行います。

シカ猟師 小野寺望さん:
「来たよ。これじゃ撃てないな。(シカの)対角線上に立たないで。来るものも来なくなるから。そのくらい敏感なんだ」
カメラマン:
「すいません」


その後、遂にシカの群れを発見。

カメラマン:「すごい数ですね」
小野寺さん:「50頭以上はいると思うよ」

慎重に近づく小野寺さんと、その後ろを追いかけるカメラマン。そして、一発の銃声が響きます。


小野寺さん:「オスのいいシカだ」


牡鹿半島では、約1万頭の二ホンジカが生息していて農作物や森林の食害など深刻な被害が出ています。そのため駆除が行われていますが、ほとんどが廃棄されています。しかし、小野寺さんたちは駆除して終わりではありません。