「僕らの過去は戻らないけれど…」被害者が相次いで訴え
2023年、イギリスのBBCが報じたことをきっかけに被害者たちが実名で次々と声を上げた。

カウアン・オカモトさん(27)
「僕らの過去は戻らないけれど、子どもたちがそういう目にあわないように」
これに対し、藤島ジュリー景子社長は文書で…
ジャニーズ事務所 藤島ジュリー景子社長
「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」
報じないメディアの責任は
週刊文春が報じていた一方で、他はなぜ報じなかったのか。元雑誌編集長の浜田敬子さんは。

元雑誌編集長 浜田敬子さん
「自らが関わった雑誌で、少なくとも企画会議とか編集部で大きな議論になったという記憶がない。なぜだったのだろうということもすごく考えるのですけれども、やはりその一つは、男性に対する性加害、男性の性被害に対しての知識がすごく少なくて、やっぱりそれを軽視していた。もう一つやっぱり、芸能界の出来事だということで、裁判の結果すら大きなイシュー(問題)として報じなかったと。ゴシップ扱いとは言わないが、私達の側の報じる姿勢が非常に甘い部分があったと思う」
さらに、ジャニーズ事務所の問題を取り上げる難しさについて…
元雑誌編集長 浜田敬子さん
「ジャニーズのタレントさんに雑誌に出てもらうと、非常にやっぱり雑誌が売れるということは実際にありました。かなり部数には大きな影響を及ぼす。もっと言えば(出版社が)ジャニーズタレントさんのカレンダーを作っていたりしますので、1つの編集部だけではなくて会社全体のいろんな部署が関わっていると、何かジャニーズの問題を書こうとしたときに他の部署から頼むから書いてくれるなと」
テレビメディアの問題に詳しい教授は…

上智大学(メディア論)音好宏教授
「ジャニーズ事務所はタブーなんだと。多様な放送番組を提供していく中で、芸能プロダクション、芸能の方々とのお付き合いということに対する、ある種の忖度というものがあったのではないのか」
日下部キャスター「我々メディアも、この判決を受けても何も動かなかったことが大きな問題だと」
喜田村洋一弁護士
「知らなかった人が多いでしょう、判決を。最高裁の決定が出た後も(ジャニー氏の性加害は)まだ続いていたわけです。重要な社会問題については、たとえ対象者が力を持っていようが何だろうが、報道すべきことは報道しなければならない。そのために新たな被害者が出てきてしまったということが、残念ながら、この数か月の間によりハッキリしてしまった」

日下部キャスター「権力があるものに対して、我々は弱者を守る仕事なわけですよね。全く逆ですね」
喜田村洋一弁護士
「強者のことに慮り弱者の被害が広がっていったということは、痛切に反省しなければいけないと思う」