総理の思い「今回は勉強になった」「最大の収穫は解散権をとっておくことができた」
関係者によると、岸田総理は解散“見送り”を表明後、このように話したという。

「今回は勉強になった」
「最大の収穫は解散権をとっておくことができたことだ」
岸田総理からみれば、解散騒ぎの間に
・重要法案を相次いで会期内に成立させることができた
・衆議院の10増10減で難航が予想された選挙区調整を一気に進めることができた
というのは大きな成果だ、と考えているようだ。
そのうえ、解散カードもまだ手元にあり、与野党に引き続きプレッシャーを与えることができる状況にある。解散が取り沙汰されたことで、結果的に多くの物事を進めることができたのではないか。このように感じ、自信を深めたというのだ。
実際、ある自民党幹部は今回の岸田総理の立ち振る舞いについてこう評している。
自民党幹部
「安倍さんを意識し始めたな」
「『権力者としてこうありたい』みたいな思いを強く持ち始めた感じがする」
ただ、これには野党側から「権力の濫用だ」との批判の声が上がる。

立憲民主党・泉健太代表
「解散権という伝家の宝刀を抜くぞという構えを示していた総理はこれまでもあったかもしれませんが、最初からその刀を振り回している岸田総理の言動は前代未聞であります」
また、解散騒動に巻き込まれた与野党の議員からは恨み節も聞こえてくる。
自民党・ベテラン議員「遊びじゃないんだよ」
自民党・中堅議員「あの人は本当に何を考えてるかわからないから怖いね」
立憲民主党・中堅議員「解散をおもちゃにして見事にもてあそんだね。必ずしっぺ返しにあうぞ」
解散カードによる“ロシアン・ルーレット”。
いつかは必ず命中するかもしれないが、今後も岸田総理が同様の手法をとり続ければ、神経をすり減らした永田町から思わぬ動きが出てくる可能性も否定できない。
TBSテレビ報道局政治部・官邸キャップ 川西全