アフターコロナで使われなくなったアクリル板…。大量廃棄が懸念される中、アクリル板を使ってアート作品を制作するプロジェクトが大分県別府市で始まりました。

新型コロナの感染防止対策として使われていた飛沫を防ぐアクリル板。感染症法の位置付けが5月8日から5類に移行しましたが、そのアクリル板を残すか外すかで対応が分かれています。こうした中、余ったアクリル板を集め、現代アートを制作するプロジェクトが別府市で始まりました。

(BEPPUPROJECT・久保優梨子さん)「ここに別府市内や、県内から集まったアクリルパネルを保管しています」

別府市でアートによるまちづくりを展開している「BEPPU PROJECT」。この団体が、アフターコロナで使わなくなった感染対策ボードやアクリル板の廃材を回収しています。

(久保優梨子さん)「光を通すとアクリルのカラフルな部分がより一層輝きを増すと思いますし、朝日が照っているときと夕方や夜になっていくと違う表情が見られる」

このアクリル板アートの制作を担当するのはアメリカ出身のトム・フルーインさん。廃材だけで組み上げる作品はステンドグラスのような美しさが特徴です。

去年スタートしたプロジェクトでは4年をかけて8作品を手がけます。トムさんが手掛けたこの3作目には廃材を集めることにこそ、最も強い思いが込められるといいます。

(BEPPUPROJECT・久保優梨子さん)「提供した素材が作品になれば自分事と考えていただける仕組みになるのでは。別府らしさもありつつ、今までなかった美しいものとみなさんから愛されたらいいな」

プロジェクトでは6月20日までアクリル板の廃材を回収。完成したアート作品は9月中旬、北浜公園に展示される予定です。