過酷な労働環境に加え、“パワハラ気質”な組織体制

職員が仕事で心がけているのは、「事実がどうなのかをとことん追いかけること」だという。
(大阪入管の現役職員)
「(外国人に)だまされることはしょっちゅうです。ですから、私はかわいそうに思ってはいけないと自分では思っていますし、後輩にもそういう指導していますね。かわいそうだから何とかしようじゃなくて、事実に基づいてやるというのを指導もしますし、自分でもかわいそうって思うんじゃなくて、リアルにどうなのかというのを常に意識していますね」
「だめな人は、職員の中でも相手の話を聞かないです。相手の話を聞かない人は情報量が少ないじゃないですか。それだけのことしかできない」
言葉が通じにくい外国人を相手に、とことん事実を調べる。その過程では、危険な業務も潜む。ハードな職場環境に加えて、職員は「組織体制にも問題がある」と話す。
(大阪入管の現役職員)
「うちの組織は公安職ですから縦割りなんですよね。さらに今は人事評価というのがありますから、上に歯向かえないですよ。歯向かったら人事評価落とされますし、国家公務員法プラス公安職の縛り、入管職員の縛り、いろんな縛りにがんじがらめになってますから、その中で命令には服従、絶対服従というのがあります。背くと陰湿な嫌がらせもありますし、あからさまにパワハラされる方もいらっしゃるじゃないですか。その中で育ってきた職員、若手が今度自分の後輩にどういう風に接するかというのは、おのずと見えてきますよね。だんだん悪くなって、コピーのコピーはどんどん荒くなっていくんですよ」