「何の得もない」入管常勤医師の待遇改善の一方で「国民の目」

そこから、なぜ疑惑が持たれるような医師が大阪入管に来ることになったのか。その背景を職員はこう分析する。

(大阪入管の現役職員)
「入管に来てもキャリアにならないじゃないですか。何の得もないんじゃないかなと思うんで、あんまり来たくないんじゃないかなと思います。刑務所から来た荒くれの人とか、先生がこれちゃんとやりなさいと言ってもちゃんとやらない人とか、先生に悪態つく人とか結構多いんで、もう先生も疲弊していく感じもみてとれます」

――では、どういうところを改善すれば良いと思う?

(大阪入管の現役職員)
「お金をたくさん出して良い先生に来てもらう、もしくは外国人を助けたいという先生だってたくさんいらっしゃると思うんですよ。支援者の方も、それやったらそういう先生探してきてくれたらいいのになって思います。お金がふんだんにあればですよ、(外部の病院に)連れていけばいいと思うんですけど、それは皆さんの税金です。税金でどこまでやっていいのかなっていうのもあるじゃないですか」

 在留期限を過ぎて日本に滞在する外国人を相手にする入管。現役職員から語られたのは、国への出入りを「管理する」立場から見た、業務内容の実態だった。後編では、6月9日に参議院本会議で可決・成立した入管法改正案への受け止めや、入管庁が考える課題の「本当の姿」について考えていく。