もう、水族館で見られなくなる? 今後の展望は? 

鳥羽水族館公式SNSより

ーー繁殖も、輸入もできないとなると、今後は日本ではラッコが見られなくなってしまうんですか?

そうならないように対応を検討しているところです。
ラッコの中でも「アラスカラッコ」については野生の捕獲は禁止されていますが、場合によっては輸出が可能なケースもあります。

実際に、アメリカの動物園・水族館では保護されたラッコの飼育展示を行っており、4か国に輸出された実績もあります。ただ、それを実現するには、アラスカからやってくるラッコの移動方法や費用、飼育環境を整えることなど様々な問題があり、いつ実現するかは、なかなか難しい状況ではあります。

そんな中、実は日本の北海道で、今、野生のチシマラッコが非常に増えています。
かつての乱獲でいなくなっていたラッコたちが100年の時代を経て戻って来てくれた、と表現すべきかもしれません。これは非常に嬉しいことなんです。行けば、ほぼ確実にみられる場所もあります。1か所だけでなく割と広い範囲にいて、年々増え、赤ちゃんも割とよく見られますよ。

ーー野生ラッコの観察ができることは嬉しいですね!でも、水族館で間近で見たい!とも思ってしまいます…。

水族館などで動物を直接見るということはとても大切なことです。やっぱり間近で見て、実際にかわいいと思っていただくことがすごく大切で、興味を持っていただくことが、ひいては野生の環境とか、野生の動物を守るということに繋がってくると思います。なので、どういう形になっても、これからもずっとラッコを見ていただけるような方向で努力をしていきます。

鳥羽水族館公式SNSより