「アジア依存からの脱却」これを目指すべき

―――これからアフターコロナの観光業が目指す姿。2019年の訪日外国人旅行者数は中国・韓国・台湾・香港・アメリカ・タイの順ですよね。その他、欧州・東南アジアとなっています。星野さんはかねてからアジア依存からの脱却を唱えていますね。

星野佳路代表: 京都と大阪のアジア依存度は全然違うんです。大阪の方が圧倒的にアジア依存度が高すぎます。世界の旅行情報っていうのは欧米から出てます。欧米人が行くところが情報発信されて、そこにアジアの人たちが憧れを持つというマーケティングの構造があるんです。

 そのため欧米人をある程度の比率で集客することが長期的にはすごく大事になってくる。安くて近いから仕方なくて行く場所じゃなくて、素敵な場所だから行くっていうふうに大阪を持っていくためには、やはりアジア依存でなく、地道に欧米をターゲットするってことが長期的には大事になってくると思うんです。


 日本の各自治体や国に、インバウンドや観光プロモーション予算がありますが、短期的に成果が出るアジアにお金を使いがちなんです。私は短期的に効果がそれほどでなくても、欧米にしっかりと予算をかけてプロモーションしていく、長期的に「日本に行ってみたい度」を上げていくためには、すごく大事なことだと思う。

―――観光立国推進基本計画で、訪日外国人旅行客の消費額単価を2025年までに20万円にしたいと。2019年の実績15.9万円からアップさせたいということですが。