日本はGWやお盆に旅行需要が集中

―――もう一つ日本の特徴は、ゴールデンウィークやお盆、土日に旅行需要が集中。これについて星野さんは、「休み方の改革」が必要なんじゃないかという、どういうことでしょうか。

星野佳路代表: 28兆円という日本の観光消費額の中の22兆円が日本人による国内観光なのです。それがゴールデンウィークやお盆、土曜日、年末年始に集中しているんです。結果的に観光業は日本で5番目に大きな産業にも関わらず、非正規雇用が私たちは70%なんです。今、岸田政権で賃金を上げようとしていますけど、賃金を上げるために、観光では「休み方改革」が必要です。

 分散して休んでいただくことによって、実は正社員雇用が増え、観光産業に従事するスタッフの年収が増えてくるんですよね。同時にお客様にとっては、分散すると価格が下がり、ゴールデンウィークにすごく高かったのは、集中するから高くなるんであって、分散することによって値段が下がり、長く滞在していただくことにも繋がるんですよ。

 ぜひ大型連休の地域別取得、これヨーロッパなんかでやっているんです。日本人の場合、1億2500万人で2500万人ずつが代わる代わるに、違う週にゴールデンウィークを取ってずらして休みを取っていく。そういう改革にこの機会に進むんでいくといいなと私は思っています。

(2023年5月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

◎星野佳路氏:星野リゾート代表 31歳で星野温泉(現・星野リゾート)社長に就任 「星のや」「界」など国内外5ブランド67施設を運営